今年の夏はコロナ禍で、舞台や、コンクールがことごとく中止になりました。 しかしその中でも ギリギリのところで踏ん張ってくれた大会がありました。 『第13回のダンススタジアム』 顧客様である高校ダンス部にとっては、唯一、舞台でのパフォーマンス戦となりました。
ダンス大会の本戦は横浜の地で
昨年、優勝したので、今年は大注目の中、 しかし、思い描いた覇者への取り巻きとは、一味も二味も違った風景が・待ち受けていました。 コロナ禍(´;ω;`)
地方大会から、本戦までの間も冷や冷や💧 ダンス部の顧問の先生も祈る想いでおられたようでした。 何とか、何とか、、、 感染が広がらず、患者が出ず、無事に大会が行われますように と。
本当にあの時期は、新幹線に乗れるんだろうか? 密になりはしないだろうか?と 気が気ではありませんでした。
本戦では、最善のソーシャルディスタンスがとられ、エールや声を出すことも控えた、静かで重い空気の中で行われたようです。
この大会で、舞台での戦いは最後となってしまう3年生は、この行き場のないフラストレーションをどこにぶつけたらいいのか? 悔しい思いをしていることと思います。
ただ、世の中のすべての人が同じように いや もっとつらい立場の人もいることも十分に理解できる年齢なので、この時期が静かに過ぎることを待つしかありません。私たち大人も同じ思いです。
「今を強く生きろ~」 という意味を込めて魂をぶっこんで作った衣装
今年の衣装のテーマは、フランスのノーベル賞作家、アルベール・カミュの『ペスト』と聞き、顧問の先生から、色とイメージをうかがいました。
フランスの作家・アルベール・カミュが書いた小説。出版は1947年。1957年に40歳台前半でノーベル文学賞を受賞したカミュの代表作の一つである。 フランツ・カフカの『変身』とともに代表的な不条理文学
「ペスト」は「黒死病」とも呼ばれ、パンデミック(全地球規模の流行)を引きおこしている。
小説のイメージと、別名「黒死病」と言われた恐怖の伝染病を表現するために アシンメトリーな片袖に、黒のオパールレースを使うことにしました。 私が衣装を創作する中で大事にしていることは、つながった感 です。
繋がった感 とは、 取って付けたような貼り付けではなく 意味があって結びついてる造形といったイメージです。 どうしても片袖を黒にしたかったので、ネックの後ろ部分の半分から つないで作りました。
最初のデザイン画は こんな感じで進めました。
デザイン画を描くことで、顧問の先生のイメージもビジュアル化され、この地点からお互いに想像を創造する世界に突入です。
そして、ファーストサンプルは、 こんな形状に!!
そして、 試着後の修正をした。セカンドサンプルはこんな感じになりました。
アウトラインとディティールはこの時点でほぼほぼ、 決定しました。
モチーフのイメージを画像加工し、 イメージを具体化!!
そして、細かな修正をした3回目の修正衣装では、 8分丈くらいのスパッツを内蔵し、さらには黒のスカートをジョイントしたオールインワンにしました。 重みは相当増しましたが…
大会は民放とNHKで放送
大会は幾度も 地上波で放送されました。 昨年のパフォーマンスを含め大満足の編集でした。 また再放送される時が来ると思います。
3年生は、部活を引退しましたが、素晴らしいパフォーマンスは、ずううっと、私たちの頭の中と心に残っています。 感性を揺さぶり、負けない人間の強さと、女性の美しさ そして、今を強く生きる。 素晴らしい芸術作品です!!
上位入賞の作品は、どれも素晴らしい芸術品となっていました。 恐るべし高校生!!
今年の衣装の作成動画を作りました。 今年は格別な想いで作りました。(´;ω;`)
たった一人で、寡黙な ただただ作業する風景ですが、魂をぶっこみましたよん♡
うれしいお手紙33通いただきました。
衣装を着てくれた ダンス部のメンバーとコーチ、総勢33人からうれしいお手紙をいただいたことは、衣装クリエイターとして最高にうれしかった出来事です。
・新入生の時から、私の衣装を着られるのを楽しみにしていてくれた子
・ダンス部の強みの1つに私の作る衣装があります。と言ってくれた子
・服飾に興味がある子、
・袖を通すと士気があがる
・疲れていても衣装を着けるとスイッチが入る
・その世界に入れる、
・3年間これらの衣装で踊れて本当に良かった
そう言ってくれました。
このお手紙は 私の宝物です。
単純にダンスというスポーツだけでなく 文学、表現、そして感情のコントロール、心が豊かで、人を思いやれる、素晴らしい教育をされているなと、改めて感じました。
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